公開日:2025年11月14日

「いつもとなりにいるから 日本と韓国、アートの80年」(横浜美術館)が12月に開幕。日韓の国公立美術館による共同企画

1945年以降の日韓美術の関係史をひもとく国際的にも初の試みが実現。会期は12月6日~2026年3月22日。

展覧会キーヴィジュアル

近くて遠い「おとなりさん」としての韓国を考える

今年2月に全館オープンを果たした横浜美術館。リニューアルオープン記念展の最後を締めくくる展覧会「いつもとなりにいるから 日本と韓国、アートの80年」の詳細が発表された。会期は12月6日~2026年3月22日。

本展は、地理的にも文化的にも近しい他者である日本と韓国の関係性を、両国のアートを通じて新しく発見することを試みる展覧会。1965年の日韓国交正常化から60年となる節目に合わせ、韓国の国立現代美術館との約3年間のリサーチと準備期間を経て開催される。

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展覧会のステートメントには、本展のテーマについて次のように記されている。

あるものの特徴をよく理解するためには、別のものと比べてみる、というとてもシンプルな方法があります。アートを理解する時にも、この方法は有効です。「いつもとなりにいるから」、刺激を与えあったり、時にぎくしゃくしたり――歴史的なわだかまりや政治的なまさつを、簡単にのり越えることはできません。けれども、アートを入口に「おとなりさん」のことを考え、わたしたち自身を見つめ直すことは、これから先もともに生きるための、勇気やヒントを得ることに繋がるはずです。

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この80年間で、日本による植民地支配からの解放、冷戦と朝鮮戦争、そして民主化を経験した韓国は、ドラマや映画、音楽、ファッションをはじめとするKカルチャーの世界的流行も重なり、ますます私たちにとって身近になった。本展は、そんな近くて遠い「おとなりさん」との知られざる関係に、改めて迫るような機会となる。