「Between the Visible」

AMATEUR(アマチュア)
8月27日終了

アーティスト

松田ハル、山﨑結子、奥村美海
コマーシャルギャラリーとプロジェクトスペースの特性を併せ持った馬喰町の現代美術ギャラリーのディレクター/佐藤拓と<H BEAUTY&YOUTH>がタッグを組み、ファッションとアート双方のアマチュア性をファクターとしてキュレーションしていく新しいアプローチのギャラリー

AMTEUR vol.8では、松田ハル氏、山﨑結子氏、奥村美海氏による3人展「Between the Visible」を開催いたします。本展は視覚情報と物質感の関係性に焦点を当てた作品群を紹介します。彼らの制作には、日常の中で拾い上げられたドローイングや記号的なデータ、過去に蓄積された記憶の痕跡といった、個別の体験に根ざした素材が用いられています。そうした素材が、スキャン、印刷、組み合わせ、記録といった異なるプロセスを経て変換されることで、鑑賞者の知覚を揺さぶるような複層的なイメージが立ち上がります。

松田ハル氏は、VR空間上で描かれたドローイングやスキャンされた画像をもとに、イメージを再構築し、シルクスクリーンによる平面作品へと定着させています。現実と仮想のあいだを往復しながら、版画的な複製の感覚を、身体性の拡張や空間の再編成として翻訳する実践は、VRと版画というふたつのメディアが交差する独自の視座を提示しています。

山﨑結子氏は、メッシュやワイヤーネットといった透過性を持つ素材と、日用品の色や形を組み合わせたインスタレーション的写真作品を展開します。レンズのピント操作という最小限の操作によって、物体としての素材が持つ実在感はあえて消去され、まるでCGや3Dレンダリングを思わせる、解像度の揺らぎが可視化されます。そこには、見るという行為そのものへの問いが込められています。

奥村美海氏は、「マイクロレター」と呼ぶ個人的な筆跡—メモや落書きに残された文字や線—をデータとして読み込み、解体と再構築を重ねながら、絵画やインスタレーションへと変換していきます。文字が意味を失い、ノイズとして変化するなかに、時間や記憶の断片が浮かび上がり、鑑賞者にとっての“読めなさ”と“触れられなさ”を孕んだ新たな視覚言語が構築されます。

それぞれの作品は、素材や手法こそ異なれど、いずれも「知覚と記録」「身体と仮想」「情報と感覚」といった対立項のあいだで揺れ動く、現代的な映像性やデータ感覚を持っています。再構成された痕跡の集合が、新たな像や感触として立ち現れる本展は、今、私たちの見ること/記憶することの在り方を、静かに更新する試みでもあります。

スケジュール

開催中

2025年5月30日(金)〜2025年8月27日(水)あと67日

開館情報

時間
12:0020:00
土曜日・日曜日・祝日は11:00から
入場料無料
展覧会URLhttps://store.united-arrows.co.jp/ua_columns/news/hby/13860
会場AMATEUR(アマチュア)
https://store.united-arrows.co.jp/brand/hby/
住所〒107-0062 東京都港区南青山3-14-17 H BEAUTY&YOUTH B1F
アクセス東京メトロ半蔵門線・千代田線・銀座線表参道駅A5出口より徒歩2分
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