奈良原一高、「消滅した時間」より「二つのごみ罐、ニューメキシコ」、1972/1973年、ゼラチン・シルバー・プリント、33.3 x 49.4 cm © Narahara Ikko Archives

奈良原一高 「消滅した時間」

タカ・イシイギャラリー フォトグラフィー / フィルム
7月19日終了

アーティスト

奈良原一高
タカ・イシイギャラリー フォトグラフィー / フィルムは6月12日(木)から7月19日(土)まで、奈良原一高「消滅した時間」を開催いたします。当廊で2年ぶりの個展となる本展では、1970年から74年にかけて滞在したアメリカを独自の巨視的な眼差しで捉え、帰国後の1975年に写真集として結実した同名のシリーズより15点のヴィンテージプリントを展示いたします。

1960年代前半にヨーロッパを巡った奈良原は次の滞在先をアメリカに決め、1970年にニューヨークへと渡ります。翌年、当時気鋭の写真家として名を広めつつあったダイアン・アーバス(1923-1971)主催のワークショップに参加し、ストレートでパーソナルな視点をもった作品を生み出すアーバスと深く議論したことは、奈良原にとって写真を改めて考え直す重要な契機となりました。その後、奈良原は1971年と72年にアメリカを横断する旅に出ます。1回目は長距離バスで西部へと至り、およそ20日間かけてレンタカーで各地を巡りました。その翌年、2度目の旅では新たにステーションワゴンを購入すると、ペンシルベニア州やイリノイ州など中西部を経由して南部のミズーリ州へと移動し、そこから前年と同じく西部を訪れる3ヶ月の長期にわたる旅程でした。先住民たちが暮らすニューメキシコ州の村を訪れその思想に触れた奈良原は、自然との共存のあり方を身をもって体感したと語ります。広大な砂漠地帯に位置する閑散とした飛行場や、かつて炭鉱業で栄えたゴーストタウンの荒廃が表徴するのは、人間の生を超えた遥かなる時間を刻み込む自然の作用であり、奈良原自身が振り返るようにそれらの光景はあたかも地球外の惑星に降り立ったかのような感覚を与えます。剥き出しの大地を容赦なく照りつける太陽の光は、奈良原の写真において強いコントラストをもって深遠な影を描き出し、画面の中で凝縮しています。およそ半世紀前に奈良原が閉じたアメリカの原風景への扉を再び開くとき、時空を超えたイメージが私たちの前に現れ、写真を通じて普遍へと至ろうとする作家の境地を目の当たりにするでしょう。

スケジュール

開催中

2025年6月12日(木)〜2025年7月19日(土)あと29日

開館情報

時間
12:0019:00
休館日
月曜日、日曜日、祝日
入場料無料
展覧会URLhttps://www.takaishiigallery.com/jp/archives/34902/
会場タカ・イシイギャラリー フォトグラフィー / フィルム
http://www.takaishiigallery.com/
住所〒106-0032 東京都港区六本木5-17-1 AXISビル2F
アクセス東京メトロ日比谷線・都営大江戸線六本木駅3番出口より徒歩8分、東京メトロ南北線六本木一丁目駅1番出口より徒歩8分
電話番号03-6447-1035
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