公開日:2025年12月28日

2025年アートマーケット総括。ブラム閉鎖の衝撃と市場低迷の理由、2026年の展望は?(文:藤高晃右)

アート・バブル崩壊とも囁かれた今年のアートマーケット。ニューヨーク在住の筆者が今年の一大ニュースやギャラリーの状況、オークションの回復などを振り返りつつ、2026年の展望を論じる。

2025年、突如閉鎖が発表された大手ギャラリー「ブラム」の東京ギャラリー内観 撮影:Xin Tahara

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大手ギャラリー・ブラム閉鎖の衝撃

2025年のアートマーケットを振り返るうえで、象徴的だった出来事はやはり、7月1日の老舗大手ギャラリーBlum(ブラム)の全世界同時閉鎖だろう。ティム・ブラムとジェフリー・ポーによって1994年にロサンゼルスで「ブラム&ポー」として開業。マーク・グロッチャンやヘンリー・テイラーなどのアメリカ西海岸拠点の作家たちを扱うだけでなく、日本の村上隆や奈良美智、近年はもの派、そして韓国の単色画の作家たちを大きくアメリカに紹介するなど独自のプログラムで、東京、ニューヨークにも拡大してきた。

東京・北参道にあったブラムの外観

それが当時開催中であったロサンゼルス、東京の展覧会を最後に、ギャラリー業務を急に閉鎖し、約半数のスタッフがレイオフされるという発表がメディアを通じてなされたため、アート業界に大きなショックが走った。ここ数年低調であると言われているグローバルアートマーケットの状況が遠因とはいえ、創業以来のパートナーであったジェフ・ポーが2年前にパートナーを解消し(その後「ブラム」と名称を変更)、その際の株式買取への出費があったこと、またニューヨークの新しいギャラリー街であるトライベッカに新たにオープンさせる予定だった大規模スペースの準備への巨額の投資、そしてギャラリーの中心的作家のひとりである奈良美智がギャラリーを離れる予定であったのではないかとも報じられており、様々な要因が重なってこの大手ギャラリーの突然の閉鎖につながったのではと考えられている。

東京のブラム&ポー(当時)のオープニングパーティにて、村上隆とティム・ブラム 撮影:Xin Tahara
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