公開日:2025年9月22日

DIC川村記念美術館、モネ《睡蓮》などをオークションハウス「クリスティーズ」を通して売却。コレクション主要作品80点がオークションに

美術館の規模を縮小して東京都内に移転する方針を決定したDIC川村記念美術館。コレクションの3/4の具体的な売却プロセスを検討していた

クロード・モネ 睡蓮 1907 DIC川村記念美術館所蔵

DIC川村記念美術館が、収蔵品280点を段階的に売却

千葉・佐倉での美術館運営を終了したDIC川村記念美術館のコレクションの一部が、国際的なオークションハウス「クリスティーズ」を通じて売却されることが発表された。

同館を所有・運営するDIC株式会社は、2024年12月に発表した美術館運営の見直し方針に基づき、保有する美術品384点のうち約4分の3にあたる280点を段階的に売却する。そのうちクロード・モネをはじめとする主要作品約80点は同社がパートナーに選定したクリスティーズを通じて国際オークションに出品し、なかでも特に著名かつ経済的価値が高い作品20点程度については、2025年11月中旬からニューヨークで開催されるオークションに出品される。20世紀イブニングセールでは傑作8点が特別に展示され、印象派・近代美術と戦後・現代美術のセールでは追加の作品が販売される。出品される作品は、モネのほかに、ピエール=オーギュスト・ルノワールやマルク・シャガール2点も含まれる。

美術館運営の縮小と都内移転

DICは2025年3月、公益財団法人国際文化会館との協業に合意し、これまで佐倉にあった美術館の規模を縮小した上で東京都内に移転する方針を固めた。この決定に伴い、美術館の展示環境や今後のコレクション活用の在り方を再検討し、同社のアイデンティティを象徴する約100点を残して、それ以外の作品については売却を進めることになった。

売却の方法とクリスティーズの選定

売却方法については、公平性と透明性を重視し、幅広い参加が可能な国際オークションを中心に実施する。複数のオークションハウスからの提案を精査した結果、マーケティング戦略や広報体制も含め、経済的価値を最大化できるパートナーとしてクリスティーズが選ばれた。DICはすでに同社と保証契約を結んでおり、少なくとも100億円程度の資金調達を目指す。

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