公開日:2026年1月8日

画家・中村宏さんが93歳で死去。「絵画者」を名乗り、独自の絵画表現を切り拓く

1月20日には、故郷・静岡の静岡県立美術館で回顧展「中村宏展 アナクロニズム(時代錯誤)のその先へ」の開幕を控えていた

中村宏 自宅アトリエにて 2025年11月16日 提供:ギャラリー58

画家・中村宏さんが1月8日、膵臓がんのため93歳で死去した。

所属ギャラリーのギャラリー58の発表によると、中村さんは昨年11月まで自宅で穏やかに過ごしていたが、体調不良を訴え12月半ばに入院。治療を続けていたが、1月8日午前9:33に東京都練馬区の病院にて死去した。亡くなる3日前には病院で穏やかな表情を見せ、関係者に感謝の言葉を残していたという。1月20日に開幕する静岡県立美術館での回顧展「中村宏展 アナクロニズム(時代錯誤)のその先へ」、および2月12日からギャラリー58で始まる個展「中村宏 絵画者の軌跡 1953-2025」の開催を控え、準備を進めていた。

中村宏さんは、1932年9月20日、静岡県浜松市生まれ。1951年に日本大学芸術学部美術学科に入学後、1950年代から政治・社会的事件を題材とする「ルポルタージュ絵画」の旗手として注目を集め、時代の現実に鋭く向き合う姿勢を示した。1960年代以降は「モンタージュ絵画」「観念絵画」「タブロオ機械」といった独自の方法論を展開し、セーラー服の女学生や機関車、飛行機などのモチーフを記号的に用いながら、具象絵画の可能性を一貫して追求。自らを「絵画者」と名乗り、70年以上にわたって独自の絵画表現を切り拓いた。2022年からは、自身の戦争体験をルポルタージュした戦争記憶画にも取り組んでいた。

主な展覧会に、「中村宏|図画事件1953-2007」(東京都現代美術館、名古屋市美術館、2007)、「タブロオ・マシン〔図画機械〕-中村宏の絵画と模型」(練馬区立美術館、2010)、「絵画者・中村宏展」(浜松市美術館、2015)など。

遺族の意向により、通夜および告別式は近親者のみで執り行われる。お別れ会は予定されていない。

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