展覧会キーヴィジュアル
印象派の巨匠、クロード・モネ(1840〜1926)の没後100年を記念してアーティゾン美術館で開催される大規模回顧展「クロード・モネ -風景への問いかけ」の続報が発表された。会期は2026年2月7日〜5月24日。
フランス・パリに位置するオルセー美術館では、モネの没後100年を記念して、世界各地で様々なプログラムを展開するが、本展はこの国際的な記念プログラムの幕開けを飾る展覧会として位置づけられている。
モネは、人びとの風景のとらえ方が変化した時代に、自然光の瞬間的な移ろいとその美しさをキャンバスにとどめようと生涯をかけて探求したアーティストだ。展覧会にはオルセー美術館の全面協力のもと、同館が収蔵するモネコレクション41点を含む、オルセー美術館所蔵の約90点に、国内の美術館や個人コレクションからの作品を加えた約140点が並ぶ。日本初公開となる作品や、貴重な写真資料のほか、キャリア初期の作品《かささぎ》(1868〜69)や、《サン=ラザール駅》(1877)をはじめとするモネの重要作が来日することは、本展の大きな見どころのひとつとなる。
展示は、モネの画業を年代順に追い、彼が風景画をどのように革新したかに迫る全13セクションで展開される。キャリア序盤の作品から、工業化の進展を予感させる都市風景画、同じモチーフを異なる天候・時間によって描き分けた連作の試み、そして晩年の「睡蓮」シリーズに至るまで、彼が各地で行ってきた風景画制作におけるテーマや技法の変化を感じとることができるだろう。
モネの風景画は、穏やかな情景や、雪、風、雨といった猛威を振るう自然に向き合い、それらをありのままに表現した、と説明されがちである。しかし、彼は近い世代の画家の絵画や写真、浮世絵やアール・ヌーヴォーの工芸作品など、同時代に誕生した新しい表現に着想を得ながら制作を行っていた人物でもあった。本展では、彼がいかにして自身のアーティストとしての立ち位置や、表現の独自性を確立したのか、その背景を知ることができる。
また、会場では現代アーティストのアンジュ・レッチアによる、「睡蓮」に着想を得て制作された没入型の映像作品《(D’) après Monet(モネに倣って)》(2020)も展示。様々なジャンルの視覚表現が交錯することで、モネの創作活動に新たな光を当てる試みが行われる。
チケットは2026年1月7日からウェブ予約を開始。オリジナルトートバッグが特典についたチケットや、平日限定期限付き早割チケットなど、お得なスペシャルチケットも数量限定で販売予定だ。こちらは10月下旬頃に詳細が公式ウェブサイトで発表される。