内藤礼 返礼 2025 Photo:Nik van der Giesen
富山県西部の砺波地方・散居村に位置するアートホテル「楽土庵」で、現代アーティスト・内藤礼の新作《返礼》が2025年5月から展示されている。同ホテルの運営は株式会社水と匠。富山県に古くから伝わる、人と自然が調和した精神風土「土徳」をテーマにした同ホテルは、富山の豊かな自然が育む食、アートを通じて、心身ともに安らぐ体験を提供している。
内藤礼は「地上に存在することは、それ自体、祝福であるのか」という一貫したテーマをもとに制作を行ってきたアーティスト。野外に展示される内藤の恒久設置作品は、世界でも初の事例となる。
今回、アートホテル「楽土庵」で展示される《返礼》は、立体作品《タマ/アニマ(わたしに息を吹きかけてください)》と、散居村の水田に臨む庭が一体となったインスタレーションだ。制作にあたって内藤は何度も村に通い、その場所で考え、感じたことを作品に込めた。鑑賞者が息を吹きかけることで成立する同作品には、目に見えない土地や自然からのはたらきかけを、息を吸うことで受け取り、吐くことで返礼するという、内藤ならではの考え方が反映されている。
楽土庵の宿泊者は、滞在中自由に鑑賞可能(19:00〜09:00を除く)。また、宿泊の予定がなくても、予約制・有料ではあるが作品を見ることが出来る。詳細や予約は公式ウェブサイトをチェックしてみてほしい。
楽土庵
2022年10月開業
施設名: 楽土庵 Rakudo-An
所在地: 富山県砺波市野村島645
客室数: 全3室最大6名
施主:GRN株式会社
企画プロデュース:一般社団法人 富山県西部観光社
運営:株式会社 水と匠
設計デザイン:51% 五割一分
施工:松井建設株式会社
公式サイト: https://www.rakudoan.jp/