変わりゆく風景の先に何を感じるのか。「ACT Vol. 8『地について』」(TOKAS本郷)で、3人のアーティストが掘り下げる土地と人のつながり

トーキョーアーツアンドスペース本郷(TOKAS本郷)は、2月28日〜3月22日に展覧会「ACT(Artists Contemporary TOKAS)Vol. 8『地について』」を開催する。担当学芸員の岩垂なつきが展覧会と作品を紹介する。(撮影:菅野恒平)

展示会風景より、赤羽史亮の展示

トーキョーアーツアンドスペース本郷(TOKAS本郷)で人、自然や「地」の結びつきをテーマにした展覧会「ACT(Artists Contemporary TOKAS)Vol. 8『地について』」が3月22日まで開催している。赤羽史亮、久木田茜、山田沙奈恵の3名のアーティストが、それぞれの作品を通して人と地の関わり方を再考する。担当学芸員の岩垂なつきに作品や展覧会について話を聞いた。

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「地」の起点は、帰郷で感じた“喪失”と“安堵”

TOKASは同時代の表現を東京から創造・発信するアートセンター。展覧会等を行うTOKAS本郷、滞在制作やリサーチ活動を行うTOKASレジデンシー(墨田区)の2拠点があり、ジャンルや領域を飛び越えた幅広い表現活動の支援が行われている。また、国内中堅アーティストを対象とした「Tokyo Contemporary Art Award(TCAA)」を東京都と共に実施している。

現在TOKAS本郷で開催中のシリーズ展「ACT(Artists Contemporary TOKAS)」は、TOKASのプログラムに参加経験者を含め、いま注目すべき活動を行う作家を紹介する企画展で、本展で8回目。「地について」というテーマに基づき、赤羽史亮久木田茜山田沙奈恵の3名が新作を含めて作品を発表している。この「地について」というテーマを設定したのは、TOKASの学芸員の岩垂なつきだ。「東京で働いていたのち、最近まで数年ほど出身地の長野県に戻って活動していました。故郷に戻ったとき、上京する前に慣れ親しんでいた場所がなくなっていたり、見慣れた風景が変わっていたりと、いわゆる喪失体験があったんですね」(岩垂)。

学芸員 岩垂なつき

そして、この体験が「地について」というテーマにつながったのだという。

「大好きな場所がなくなってしまったことは確かに寂しいです。ですが、それでも自分が故郷にいるということを強く感じ、ホッとする感覚もありました。建物や部屋のような「器」を超えて、自分と土地そのものに根源的なつながりがあるからでは?と感じました。それが今回のテーマ『地について』を考えるきっかけとなりました」(岩垂)

会場風景より、久木田茜の展示
山田沙奈恵 蟲のいどころ 2026 Photo: 加藤 健 画像提供: Tokyo Arts and Space
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