公開日:2026年1月16日

『Tokyo Melody Ryuichi Sakamoto』の監督が見た、32歳の坂本龍一と80年代の東京

32歳の坂本龍一と80年代の東京の街を映した映画が1月16日に公開。

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長らく幻の作品とされてきたドキュメンタリー映画『Tokyo Melody Ryuichi Sakamoto』が、4Kレストア版としてスクリーンに映し出される。32歳当時の坂本龍一とともに、1980年代の東京という都市が、そのまま映像のなかに映し出される。坂本本人へのインタビューやスタジオでのレコーディング風景に加え、当時のパートナーである矢野顕子との連弾による「東風」の演奏など、いまでは目にすることのできない場面も収められている。

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およそ40年の時を隔てて、いま再び観客の前に現れるこの映画は、音楽ドキュメンタリーという枠を越え、時代と都市、そして音楽が生まれていく過程を、現在の視点から見つめ直すきっかけを与えてくれる。公開を記念して、本作を手がけた監督エリザベス・レナードへのインタビューが実現した。

1983年、デヴィッド・シルヴィアンのレコーディングに立ち会うためベルリンに滞在していた坂本龍一のもとを、映像作家レナードが訪ねた。そこで彼女は、「フランスのテレビ番組のために、ドキュメント・フィルムを撮らせてほしい」と坂本に告げたという。この出会いが、のちに『Tokyo Melody Ryuichi Sakamoto』へとつながっていく。

翌1984年5月、坂本が4枚目のソロアルバム『音楽図鑑』の制作を開始した時期に合わせ、撮影は東京で行われた。期間はわずか1週間。レナード監督を含む6名ほどの小さなクルーは、東京という街を、そして坂本龍一という音楽家の現在進行形の姿を記録していった。

完成した60分余りの映像には、坂本本人によるインタビューをはじめ、スタジオでのレコーディング風景、出演したCM、YMOの散開コンサート、大島渚監督『戦場のメリークリスマス』(1983)の印象的な一場面などが収められている。また、渋谷スクランブル交差点や新宿アルタ、原宿の竹の子族といった、1980年代の東京の風景も撮影。それらを背景に、幼少期の記憶、変化し続ける文化や社会、創作のプロセス、そして自らが追い求める音楽について語る、32歳の坂本龍一の姿が映し出されていく。

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