公開日:2026年4月27日

森村泰昌、ヤノベケンジ、やなぎみわの3人展「驚異の部屋の私たち、消滅せよ。」(大阪中之島美術館)が開幕。“過剰性”の果てに見出した“消滅”とは何か

会期は4月25日〜7月20日

会場風景

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「驚異の過剰性」を備えた3作家が大阪で邂逅する

森村泰昌、ヤノベケンジ、やなぎみわ。国際的に活動しながら、ときにその歩みを交錯させていた3人のアーティストが再び大阪で邂逅する展覧会「驚異の部屋の私たち、消滅せよ。—森村泰昌・ヤノベケンジ・やなぎみわ—」大阪中之島美術館で開幕した。会期は4月25日から7月20日まで。担当学芸員は同館の大下裕司。

本展は森村の呼びかけを起点に実現した。「この3人で展覧会をやったら面白そう」という「思いつき」に端を発し、ヤノベとやなぎに声をかけ、美術館も賛同するかたちで2年前に企画がスタートしたという。通常の学芸員企画の展覧会とは異なり、アーティスト発案で作られた本展について、同館館長代行の植木啓子は「美術館としてもこれまでの展覧会にないやり方で実施したということもあり、得難い経験」と振り返る。

左から、森村泰昌、ヤノベケンジ、やなぎみわ

展覧会タイトルにある「驚異」と「消滅」とはなんなのか。森村はこう語る。「我々3人の今回の表現は、量的な意味において、大きさや饒舌性、精神的な重みという意味においても、いずれもが過剰である。何か度を越した過剰性、そういったものであることへの欲望の発露としての表現になっているように思います。『過剰性の驚異』あるいは『驚異の過剰性』が我々3人にはどうしようもなく体質として備わっている」

本展は「驚異の部屋」となった4つの展示室の最後に後述する「消滅美術館」が出現し、展覧会を締めくくる。最後に「消滅」が現れるのは、その「過剰性が持つ危うさ」を3作家が自覚しているからだという。「過剰であることの驚異性と、まったく真逆の何もないという消滅性。このふたつを注意深く見極めながら、危うい綱渡りを続けていくような感覚。これが過剰性の果てに見出した共通の手段ではなかったかと思っています」

会場入り口

エスカレーターで5階に上がると、展示室の外でまず3人による立体作品が観客を出迎える。「私たちは、それぞれの旗を掲げる。」と題されたプロローグは、純然たる共同作品ではなく、三者三様の「私」の宣言だ。森村は松本竣介の《立てる像》を思わせる人物と透明な旗、やなぎは白銅の《Mirror & Hammer》、ヤノベは《SHIP'S CAT》と「100歳の自分の肖像」が電気自動車に乗った作品をそれぞれ提示する。それぞれが異なる旗を掲げ、これから始まる「驚異の部屋」に誘う。

プロローグ「私たちは、それぞれの旗を掲げる。」展示風景
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