SIDE CORE「Living road, Living space /生きている道、生きるための場所」会場風景
SIDE COREの個展「Living road, Living space /生きている道、生きるための場所」が、石川・金沢21世紀美術館で開幕した。会期は2026年3月15日まで。
東京を拠点に、日本各地でプロジェクトを展開してきたアートチーム・SIDE CORE。メンバーは、高須咲恵、松下徹、西広太志、映像ディレクターは播本和宜。「個人がいかに都市や公共空間のなかでメッセージを発するか」という問いのもと、ストリートカルチャーの思想や歴史などを参照しながら作品やプロジェクトを展開してきた。
今回の展覧会について、担当学芸員の髙木遊(金沢21世紀美術館アシスタント・キュレーター)は「アーティストの多様な表現のあり方や、危機に対してアートは何ができるのか、ということを考え尽くした展覧会になっています」と語る。
SIDE COREは2011年の東日本大震災を契機に、ストリートカルチャーを都市の路上における表現のみに留めるのではなく、「道=異なる場所や価値観を媒介するもの」として再定義し、移動や文化の連鎖反応に基づく表現運動してとらえ直すことを試みてきた。2024年元日の能登半島地震後、金沢や能登半島を繰り返し訪れ、地域の人々と対話を重ねながら続けてきた制作も、その実践のひとつだ。本展ではそのようにして制作された作品を「異なる場所をつなぐ表現」をテーマに再構成して紹介。「道」や「移動」を主題とした作品を中心に、美術館内外で多様な価値観や生き方が交差する場を作り出すことを目指す。