公開日:2025年10月16日

東京都写真美術館「作家の現在 これまでとこれから」レポート。世代の異なる5人の写真家の歩みと、進行形の現在地

石内都、志賀理江子、金村修、藤岡亜弥、川田喜久治のグループ展。過去作から新作・近作までを一堂に展示

「総合開館30周年記念 作家の現在 これまでとこれから」会場風景

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世代を超えた5名の作家が一堂に

2025年に開館30周年を迎えた東京都写真美術館で、展覧会「総合開館30周年記念 作家の現在 これまでとこれから」が開幕した。会期は10月15日から2026年1月25日まで。

本展は、石内都、志賀理江子、金村修、藤岡亜弥、川田喜久治の5名の写真家によるグループ展。東京都写真美術館の収蔵作品を中心に、新作や近作も加えた100点以上の作品を通して、国際的に活躍する写真家たちの現在進行形の創作活動に触れる機会となる。担当学芸員は同館事業企画課長 学芸員の丹羽晴美、同じく同館学芸員の伊藤貴弘。

左から、石内都、志賀理江子、金村修、藤岡亜弥、川田喜久治

東京都写真美術館には3万8千点を超えるコレクションがあり、作家の数は1500人におよぶ。そのなかで存命中かつ日本で活動する作家は2〜300人ほどだが、彼らの新作や進行中の作品は多くがギャラリーなどで発表されている。本展はこうした現状を背景に企画された。

「これだけ当館にコレクションがある作家さんの新作をほかの場所で見るのではなく、ここでコレクションと一緒に展示していただく、もしくは新作が完成していなくてもワーク・イン・プログレスのようなかたちで、当館の展示室やトークなど様々な活動を活用していただけると、美術館がもっと生きた場になると思い、この企画を計画しました」と丹羽学芸員は語る。

また5名の作家の選定については、「写真表現を拡張する取り組みを長年にわたって続けてきたことが大きなポイント。それが日本だけで国際的に評価されている。(そのような作家たちの)作品をあらためて見る機会を設けたかった」と伊藤学芸員。

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