公開日:2025年6月17日

大河ドラマ「べらぼう」で話題! 蔦屋重三郎にまつわる全国のおすすめ展覧会9選【2025年最新まとめ】

全国の美術館や博物館で、蔦重関連の展覧会が続々開催

1月から放送されている、横浜流星主演のNHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」。喜多川歌麿や東洲斎写楽など、才能ある絵師を発掘し、世に送り出したことでも知られる江戸時代の出版人・蔦屋重三郎(つたや・じゅうざぶろう、通称:蔦重、1750〜1797)の波乱に満ちた生涯が描かれています。

ドラマでは、物語も中盤に差し掛かり、いよいよ日本橋での出店に向けて動き出した蔦重。現在、日本全国の美術館や博物館では蔦重関連の展覧会が多数企画されています。ここでは、編集部が注目する展覧会をピックアップして紹介します。

*Tokyo Art Beatでは、展覧会・イベントページで「#蔦屋重三郎」関連の展覧会情報を随時更新中。こちらのタグもぜひチェックしてください。

「日本画コレクション再発見と片岡球子『蔦屋重三郎の浮世絵師たち』」 (神奈川県立近代美術館 葉山)

神奈川県立近代美術館の日本画コレクションから、これまで公開されていなかった作品と20年以上出品されていなかった作品に焦点を当てる展覧会。江戸時代前期に活躍した狩野探雪の屏風《草花図》や、牛田雞村の修復された屏風《青蘆せいろ》、近年修造された小泉淳作による建長寺の天井画《雲龍図》の下図など、初出品作品が並ぶ。さらに特集展示として、片岡球子による「面構」シリーズから、蔦屋重三郎に関連する浮世絵師たちを描いた《面構 東洲斎写楽》《面構 喜多川歌麿と鳥居清長》といった屏風作品が展示される。

会場:神奈川県立近代美術館 葉山
会期:4月12日〜6月29日
ミューぽんで3名様まで100円OFF!

「浮世絵スター誕生―歌麿に蔦屋重三郎、英泉・国貞まで―」(川崎浮世絵ギャラリー)

川崎ゆかりの浮世絵を含め約6000点の所蔵作品数を誇る川崎浮世絵ギャラリーが贈る企画展。錦絵の誕生から約20年が経ち、スター絵師が次々と誕生した天明・寛政期(1781~1801)の「浮世絵の黄金期」と呼ばれる時代の作品を中心に紹介する。蔦屋重三郎、西村屋与八ら版元たちにも注目した前期に続き、6月7日から7月6日まで開催されている後期では、黄金期のその後にも光を当てる。江戸時代後期の人気絵師・溪斎英泉や歌川国貞が頭角を現した文化・文政期(1804~30)の作品と、彼らの師匠である菊川英山、初代歌川豊国の作品などが展示される。

会場:川崎浮世絵ギャラリー
会期:4月26日〜7月6日

「蔦屋重三郎 浮世絵黄金期を築いた人たち」(越前ふくい美術館)

越前ふくい美術館では、蔦屋重三郎を主人公とした2025年の大河ドラマの放送にあわせ、1年間を3期に分けて浮世絵の展示を行っている。本展では、天明・寛政期の「浮世絵の黄金期」を築いた人々に光を当て、喜多川歌麿や東洲斎写楽をはじめ、この時期に活躍した絵師たちの作品を紹介。当時の技術を現在に継承しているアダチ版画研究所の作品を通して、浮世絵と越前和紙の魅力を再発見する機会を提供する。

会場:越前ふくい美術館
会期:4月15日〜7月15日

「江戸の名プロデューサー 蔦屋重三郎と浮世絵のキセキ」(千葉市美術館)

安永(1772〜81)から寛政という、錦絵が大きな発展を遂げた時期に版元として活動した蔦屋重三郎。千葉市美術館の開館30周年を記念する本展では、浮世絵の始祖とも呼ばれる菱川師宣に始まり、多色摺の錦絵を創始した鈴木春信、喜多川歌麿、東洲斎写楽、葛飾北斎、渓斎英泉、歌川広重など、初期浮世絵から黄金期、蔦屋亡き後の展開まで浮世絵の歴史をたどる。同館の所蔵する浮世絵コレクションを中心に、美人画や役者絵の名品が一同に会するほか、特別出品として、近年発見された歌麿による天明期の肉筆画《祭りのあと》が本展で初公開される。

会場:千葉市美術館
会期:5月30日〜7月21日
ミューぽんで3名様まで100円OFF!

「イマーシブシアター 新ジャポニズム ~縄文から浮世絵 そしてアニメへ~」(東京国立博物館 本館 特別5室)

「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」の主演・横浜流星がナビゲーターを務める本展は、NHKの高精細映像と技術により、東京国立博物館が所蔵する国宝や重要文化財をふだんでは見ることのできない角度や大きさで堪能できるもの。縄文時代の土器や土偶、古墳時代の埴輪から、平安時代の絵巻、室町時代の鎧兜、江戸時代の屏風や浮世絵、さらには手塚治虫、高畑勲、細田守らによるアニメまで、日本文化のタイムトラベルを没入感のある大迫力の映像で楽しむことができる。

会場:東京国立博物館
会期:3月25日〜8月3日

「夢みる!歌麿、謎めく?写楽—江戸のセンセーション」(慶應義塾ミュージアム・コモンズ)

本展では、かつて慶應義塾の塾長(代理)を務めた経済学者の高橋誠一郎が収集した「高橋誠一郎 浮世絵コレクション」から、喜多川歌麿と東洲斎写楽の浮世絵の魅力を紹介するもの。江戸時代後期を生きた歌麿と写楽は、ともに耕書堂・蔦屋重三郎から作品を刊行している。会場では美人画の名手であった歌麿と、役者絵で名を馳せた写楽の作品を中心に、約100点の浮世絵を展示。ふたりの版元である蔦屋重三郎の関連資料や、同時代に活躍したほかの絵師たちの作品も出展され、「寛政の改革」前後の浮世絵画壇を紹介する。

会場:慶應義塾ミュージアム・コモンズ
会期:6月3日〜8月6日

「十返舎一九と蔦屋重三郎」(静岡市歴史博物館)

江戸時代中期から後期にかけて江戸の出版文化を牽引した蔦屋重三郎。駿府出身の戯作者・十返舎一九も彼のもとで才能を開花させたひとりだった。本展では、『東海道中膝栗毛』をはじめとする文学作品や錦絵など、蔦屋重三郎や十返舎一九が手がけた本76点を展示し、江戸時代中後期の江戸と駿府の出版文化とそれを囲む人々の世界に迫る。喜多川歌麿が描いた美しい狂歌絵本『狂月坊』や、十返舎一九の本の制作過程がわかる自筆の絵や稿本なども紹介される。

会場:静岡市歴史博物館
会期:7月5日〜8月24日

「蔦重の眼 歌麿・写楽と浮世絵黄金時代」(MOA美術館)

浮世絵最盛期の立役者であった蔦屋重三郎。本展ではその功績がわかる蔦重出版の歌麿・写楽の錦絵をはじめ、天明・寛政期から文化・文政期に活躍した鳥文斎栄之、歌川豊国、葛飾北斎といった絵師たちの錦絵や肉筆美人画を展観する。歌麿が「恋」をテーマに、年齢や境遇が異なる女性の姿を描き出したシリーズ「歌撰恋之部」や、写楽作品の代表作《市川鰕蔵の竹村定之進》などの作品が展示される。さらに蔦重の生まれ育った江戸の名所を独自に取材し、現在の風景写真とともに比較展示することで、江戸の町人文化の賑わいとともに花開いた「黄金期」の浮世絵の魅力を紹介する。

会場:MOA美術館
会期:7月25日〜9月9日

「蔦屋重三郎と版元列伝」(太田記念美術館)

本展では、江戸時代に浮世絵師や職人たちを総括し、制作や販売を指揮した版元に注目。喜多川歌麿や東洲斎写楽をプロデュースした蔦屋重三郎を中心に、鱗形屋や西村屋与八、鶴屋喜右衛門など数々の名品を世に送り出した江戸の版元たちの業績を紹介する。同館が所蔵する歌麿、写楽作品をはじめ、多彩な作品が展示される予定。

会場:太田記念美術館
会期:8月30日~11月3日

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